【 長須と紙漉について 】
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兵庫県北部(但馬たじま)、日本海に面した香美町の山間部にある、山と川に挟まれた小さな集落。約20世帯、人口60名。
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パワフルな区長さん(当時)を筆頭に、住民のみなさんがとても積極的・協力的な集落で、兵庫県の事業・小規模集落元気作戦などに早くから取り組んでいる。
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戦後直後まで長須を含むこの辺りの地域で「射添紙 いそうがみ」という和紙が漉かれおり、復活させることで村おこしに繋がるのでは?という住民の方の提案があった。
【2013年度】 -
兵庫県の元気作戦さいごの年に紙漉事業に取り組みはじめる。
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道具や技術が廃れていたため、兵庫県集落サポーターとして派遣されたホンダを中心に、紙漉の「いろは」から勉強し研修にいきはじめる。
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材料の一部である「トロロアオイ(花オクラ)」をみんなで栽培・収穫し、紙漉に使用する。
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同年から地元の村岡高校と連携し、授業の一つとして学生10名と一緒に、今の地域の現状を学びながら、卒業証書製作を目標に紙漉練習などを行った。
【2014年度】 -
引き続きホンダが香美町地域おこし協力隊として長須に暮らし、紙漉技術・設備向上、漉いた紙の活用を進めながら、徐々に紙漉体験も受け入れ始める。
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同年春に集落全員対象に紙漉体験をし、その紙を使った灯籠をつくろうと女性を中心とした「みのむし」の会が立ち上がり、夏のお盆に約50個の灯籠が長須の夜の道を彩った。
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村岡高校生と花オクラの栽培や紙漉を行い、卒業前に「認定証」とフォルダーを手漉きの紙にて製作する。
【2015年度】 -
村岡ダブルフルウルトラランニング実行委員会より「村岡高校生に手漉きの紙で賞状をつくってほしい。」との依頼を受け、紙漉班・4名の高校生と手漉き手刷りで賞状を約60枚製作する。
※村岡ダブルフルは毎年9月に開催、約3000人が全国から参加。 -
冬、高知県 黒潮町の「若山楮」にて栽培・加工等に学ばせてもらう。
【2016年度】 -
春、長須で自生していた楮の根っこを収穫し、畑に30株ほど移植する。冬には少量だが楮を収穫し、原料を生産した。
村岡高校生とも引き続きマラソン賞状を製作したり、高校生と射添小学校5年生とのコラボ紙漉授業を行う。
【2017年度】 -
春、隊員卒業後も長須にホンダが暮らし紙漉を続け、以前より構想していた「出前!紙づくり」をはじめる。
村岡高校生との例年の活動に加え、高校生による「射添紙」を通じて地域の魅力を発信する企画・実施を、一緒に模索しながら行う。